座り方と華

電車に乗って、たまにハッとさせられる時がある。それは美しい佇まいの人に出逢った時だ。着こなしが優れていることもあれば、所作が美しいこともある。

そうした美しさが際立つのは、逆にそうでない人が多くいるからでもある(自分も客観的に見れば、そうだろう)。

さて、電車内で、最近気づくのは、女性で膝をつけて座っている人がほとんどいないことだ。これは正直見苦しい。

こちらでは、両足をキッチリ揃えて座るのはポピュラーな座り方と言うが(そして妙な心理判断もひどいが)、そんな人にはまずお目にかからない。

膝をつける座り方をしているのは、若年層に多いX開脚と言われる、かつてはふしだら(!)だとも言われた、これまた見苦しい座り方だ。

女性の座り方に難癖をつけるのは、家父長制社会の典型例でもある。しかし、せっかく外見的に美を表出しやすい存在であるのだから、勝手な言い分は承知の上で、「華」を忘れないでほしいものだと言いたくなる。